オレグ・ミチャエフ、ロシア・ノーボスチ通信社、経済解説員。
世界のガスの巨人会社「ガスプロム」は、近未来の燃料として化石燃料の代替になる資源現れず、化石燃料の価格は急進的な上昇が続くとの見方をしている。この見解を根拠に、国営ガス巨人企業は、世界で最も影響力のあるエネルギー企業になることを目論んでいる。このことは、6月27日に開催された「ガスプロム」の年次株主総会向けに作成された資料が物語っている。
総会は極めて日常的に、日常的という言葉を使わないなら、毎年繰り返すありふれた内容で終了した。もし化石資源の価格が数年間上昇を続け、現在のガスのヨーロッパの平均価格が1000m3当たり400ドルに達している状況で、何が予想されるか。長年の間で初めての「ガスプロム」の取締役会長の交代は、公式手続きとして行なわれた。第一副首相のヴィクトル・ズブコフが、このポストに、周知の如く、5月に第一副首相の椅子から大統領の椅子に選出されたドミトリー・メドヴェジェフに代わって、ガスプロムの取締役会の長に就任した。
そうは言っても、「ガスプロム」では、すでに8年間、アレクセイ・ミレルが取締役代表の職務で機動的な管理業務に携わっている。彼の発言から、ガスプロムの戦略は「黒い金」(石油)の価格をもとに構築されるだろうということが伝わっている。「ガスプロム」の投資計画も石油価格に完全に依存している。2008年のミレルの発言によれば、投資計画は、順調な景気のお陰で、当初の計画であった7100億ルーブル(ドル換算で303億3000万ドル)から9100億ルーブルに上方修正される可能性がある。
主な投資対象プロジェクトとしては、その開発とうとうガスの巨人が着手しているヤマル半島にあるボヴァネンコフスコエ鉱床とハラサヴェイスコエ鉱床、さらに、ヤマル半島の鉱床と既存のガスパイプラインシステムを結びつけることなっているボヴァネンコヴォ-ウフタ・ガスパイプラインの建設だ。
ガスプロムにとって、控えめな2,6%という数字ではあるが、2008年のガス採掘量を、控えめかも知れないが2,6%、すなわち5630億m3に増大させることも喜ばしいニュースである。しかも、追加される採掘量は国内向けに供給されることになっている。2007年には、「ガスプロム」のガス採掘量は1,3%減少していたことを喚起して置きたい。
総会では、ロシアが中央アジア産ガスを、そこを経由して80%が西ヨーロッパに供給されるウクライナに転売とするというデリケートな問題も避けて通れないのは当然のことだ。周知の如く、本年春にウズベキスタン、カザフスタンそしてトルクメニスタンは、彼ら自身も、ヨーロッパの平均価格で「ガスプロム」に供給すると表明している。(因みに、ウクライナは本年、「ガスプロム」から中央アジア産ガスを1000m3当たり179,5ドルという非常に安い価格で獲得している)。
向けのガス価格は1000m3当たり400ドルになるとのことだ。ロシアの首相ウラジミール・プーチンは、6月28日に、ウクライナの首相ユーリー・チモシェンコとの交渉では、はるかに外交的手腕を発揮した。両首相は、ウクライナのために徐々にヨーロッパの価格にもとづいた価格構成を適用する希望を表明したのだ。
国際協力のその他の側面については、「ガスプロム」株主総会でミレルは、近々、ロシアの黒海沿岸からバルカン半島を経由して2つのルートを通ってイタリアの南部と北部まで敷設されるガスパイプライン「南ルート」の建設についてスロヴェニアと合意に達したことを発表した。近い将来、同様の合意が、オーストリアとの間でも調印される予定であるとしている。(その他のトランジット諸国とはすでに合意に達している)。
イギリスのFinancial Timesが作成した巨大企業の最も新しいリストには、「ガスプロム」の資本は3000億ドルに達し、現在、アメリカのExxonMobil、中国のPetroChinaそしてさらにまたアメリカになるがGeneral Eletricに次いで4番目の位置を占めている。しかし株主総会の終了間際にミレルは、ガスプロムは、さらに重量感のある世界でも影響力のあるエネルギー会社になると表明した。尤も、いつ世界のNo.1になるかについては、ミレルの評価では、「ガスプロム」はまだ7-10年は掛かるだろうと予測している。
このような予測をすることは難しいことではない。ミレルの契約は2011年までだからである。もっと具体的な目的としては、2年間で「ガスプロム」グループの資本を2倍にする約束であろう。しかし、このためには、真剣にその効率性に取組み、また、現在、投資資金がソ連時代の原理で消費されている点を改善し、投資の見返りのレヴェルをもっと高める必要がある。
しかし、「ガスプロム」の指導部の考え方は、別の範疇に属するものになっている。化石資源は価格が上昇するのみというのが指導部の固い考えである。上述のイギリスFinancial Timesとのインタヴューでは、ガスプロム株主総会の前日、ミレルは、石油価格は来年1バレル当たり250ドルに達する可能性があると言明した。(例えば、石油カルテルのOPECでは、石油は今年の夏までに150-170ドルに上昇しても仕方ないと考えている。しかし、この市場には、いつはじけてもおかしくない典型的な「石鹸バブル」が形成されていることを明確に意識している)。
ミレルは、ガスプロムは、北アメリカを自社の戦略的に関心地域と捉えており、2014年からアメリカとカナダにバレンツ海のシュトックマン鉱床から液化天然ガスの供給を開始する計画があることを表明した。(尤も、シュトックマンからのすべての燃料を西ヨーロッパに回す可能性があることも否定できない)。しかし、ミレルは、アラスカでのガスパイプライン建設への参加も利益を呼び込むと断言している。
さらに、ミレルは、「ガスプロム」は、北アフリカ経由でヨーロッパにガスを供給する4300kmの及ぶサハラ砂漠横断・ガスパイプラインの建設を検討しているナイジェリアといの巨大ガス取引にも非常に間近に迫っていることを確信していると述べた。
このような、虹のように未来あるメガネ掛けて世界を見ると、どんな大胆な計画も立案が可能になって来る。

