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経済
石油価格は調教不可能?
08:0524/06/2008
 

オレグ・ミチャエフ、ロシア・ノーボスチ通信社、経済解説員。

 

 

世界最大級の輸出国、サウジアラヴィアは、6月22日の日曜日に、ジッダで、近年2倍に跳ね上がっている石油価格についてどのように対処するかという質問の回答を出す目的で、「黒い金」(石油)の生産者と消費者を大会議に招集した。同じ頃、世界の石油大消費国アメリカは、市場経済の原理とあまり結び付かない自国流の独自の手段で急激に高騰した燃料価格と発作を起こしたように闘っている。ジョージブッシュ大統領は再度アラスカの保護地で「黒い金」の採掘が必要であることを議会に説得しようとしている。アメリカの商品取引委員会は、アメリカ国内でも、国外でも、程度というあらゆる感情を見失っている投機家に歯止め目をかけようと試みている。

 

6月16日のニューヨーク市場での「黒い金」の価格は、以前には経験したことのない境界線140ドルにぴったり接近する1バーレル139,89ドルという新しい記録的な絶対価格に達した。(尤も、週末には「黒い金」は若干安くなり133ドルに下落したが)。しかも、石油価格が高騰する根本的理由はすべての人にとって以前から分かっていたことだ。中国やインドと言った嵐のように急速に発展する経済国での石油需要が増大し、さらに、その発展は他のアジア諸国の需要も誘発しているためだ。

 

加えて、ドルで表示される石油価格は、近年アメリカの通貨のドルが極端に下落し魅力を失ったことも高騰の理由に挙げられる。しかも、これに拍車を掛けているのが、アメリカの金融当局自身の政策である。2007年9月から2008年3月までの半年の間だけでFRB(アメリカ連邦準備理事会)は、自国金利を5,25%から2%へと、2,5倍も引下げた。そこ結果、世界市場の投機家は、ドル資産から高騰する石油商品市場に資金を移動し、市場の典型的な「バブル」化現象を膨らませた。

 

ジッダ会議で石油価格低減計画で大きな突破口が見つかるのを期待すべきではない。これは会議の参加者自身が認めているところである。なぜなら買い手も売り手も現在どのようにこの問題に対応するのか判らないからである。尤も、サウジアラヴィアは7月から石油採掘量を日産で970万バーレルまで増大する旨約束した。このようにしてサイジアラヴィアの石油採掘量は、わずか2ヶ月で日産50万バーレルの増産となり、1981年以来経験しないレヴェルに達した。尤も、現在の条件では、石油市場のこの緊張を引下げることができるかどうか予測することは確信が持てない。

 

アメリカ国内ではもう待つことはできない状態に追い込まれている。アメリカの平均ガソリン小売価格が1ガロン当たり4ドル(1リットル当たり25ルーブルに相当)を上回り、一般のアメリカの自動車保有者のみならず、大統領を含めた最高権力当局も事態の深刻さに懸念を表明しているからだ。しかも、燃料価格を下げる方策についての彼らの提案は独自であると同時には様々である。

 

6月18日、ブッシュ大統領は、すでに約4年企てている議会からアメリカの大陸棚での採掘禁止を撤廃する試みをさらに刷新した。これは、アラスカの天然資源地域での採掘を復活させることを意味する。運命のいたずらだが、この禁止令は、すでに遠い昔の1990年のことだが、当時の大統領ジョージ・ブッシュ・シニア(パパ)と議会が一緒になって導入したものである。その禁止令を息子である現大統領ブッシュ・ジュニアが解こうとしているブッシュ・ジュニアの論理は単純だ。大陸棚を採掘すれば市場への供給が増え、投機的価格を打ち砕くことになるだろうと考えたからだ。ブッシュ現大統領は、1つのことを理解していない。あるいは理解していない振りをしているのだろうか? 大陸棚を採掘したところで、その効果が初めて現れるのは3-5年後にやっとであることを、だ。この呼び掛けは、贔屓目に見てもせいぜい、アメリカ市民をほんの少し安心させる程度で、石油の全体供給量を直ぐに増やすことなどできないだろう。アメリカは、他の国にも、あらゆる可能な方法で採掘を増やすよう呼び掛けているようだが、議会の民主主義勢力の大部分は自国の自然を守る方向で一丸となって立ちはだかっている。

 

アメリカ議会では別のアイデアのほうがはるかに関心を呼んでいる。それは、石油市場の投機家たちを説得することだ。彼らの圧力の下でアメリカの商品先物市場委員会(Commodity Futures Trading Commission CFTC)は、1日に1人のトレーダーが行なえる石油売買取引の量を制限することに取り掛かった。さらに、CFTCは、アメリカのWTI石油(West Texas Intermediate、アメリカ南部のテキサス州を中心に産出される原油のこと。アメリカ国内で産出される原油の6%・世界で産出される原油の1~2%ほどを占める)の取引をしているロンドン国際石油先物取引(2005年からICE Futures Europeと呼ばれている)にも足並みを揃え、同様の制限を導入するよう要求した。

 

公式的見地から見れば、取られた諸策はどうやら正しい。確かに、現在の石油の巨大な額には巨大な投機的要素が混入している。しかし、これは一見したところの話だ。周知のように、投機家は同じトレーダーなのだが、その他の残りのトレーダーよりはるかに運用術に長けている。投機家との闘いは価格の更なる上昇を招くことはいつも実践が示すところだ。取引量の制限が効力を発するまでに、投機家は大量の取引を素早く行ない、そして、それがさらに価格を吹き上げることはすでに今でも判っていることだ。制限が導入された後は、相場参加者数はすぐに増え、投機の量は元の水準に戻るとしている。

 

しかし、あらゆるこれらの行政手段は、どう控えめに見ても、アメリカの経済の基礎になっている起業心や取引の自由の原理と合致していない。石油投機家に勝つことができるのはFRB金利を上げ始めると言ったもっとはるかに強力な手段を使えば可能だろう。その時は、投機的投資家原料市場から徐々に退出しドル資産に移行するだろう。ドルは上昇し石油は安くなるからだ。しかしFRBはこの手は使えない。低金利と弱いドルが維持されていなければ、アメリカの経済は最終的に景気停滞に覆われてしまうからだ。